障子紙のイメージがありますが、それだけではありません。
でも厚手の紙より、薄手の紙がお得意ですね。美濃あかりアート も 光が透けないと、ね。
和紙を通った灯りの美しさ、陽の光を和らげる効果、共通点がありますね。
谷崎潤一郎の「陰影礼賛」のなかで、日本家屋のほの暗さ、和紙が陽の明かりを繊細なものにする美しさ、に触れているところは
いつも、背中がぞくぞくする気持ちがします。
そんな美濃和紙を見たいと思い、行ってきました。
美濃の機械漉き和紙メーカー「丸重製紙企業組合」さんの工場見学
久しぶりな新幹線にのって名古屋へ(新幹線とか飛行機とか、乗り物が大好きだったり)そこからJR特急富山行きで「美濃太田」「長良川鉄道」に乗り換えての「美濃市」駅で降りたら、ごはんを食べて、タクシーで向かいます。
長良川の澄んだ水に心奪われながら、なかなか付かないのでだんだんタクシーのメーターが、気になって・・・
やっと着きました!
13時から、集まった方々10人くらいで、
和紙ブラザーズ「辻 専務理事(お兄さん)/常務理事(弟さん)」のお二人のご案内&解説。
要点を押さえて効率よくまとめた説明。ご兄弟の息もさすがにぴったり。
いいなあー、兄弟って・・・
原料について語るお兄さん
針葉樹と広葉樹、楮やガンピ、三椏、麻ではそれぞれ繊維の長さが違う・・・ふむふむ。
抄紙機のカッコよさは、工場フェチにとってたまりません。
中型の抄紙機が回っているのは、ぞくぞくしますね。
工場フェチが、工場で最も注目するのは、実はそこの工場のきれいさです。
工場、生産現場というのは普通にしておくと汚れるし散らかります。
整理整頓、ゴミが落ちていない、劇物などや機械の表示、そこ大事。
丸重製紙さんの工場は、失礼ながらこの規模の工場にはあり得ないくらい、きれいな工場。
抄紙工程というのはかなり汚れると思うのですが、きれいさを保つのは継続した努力の賜物ですね。
この工場の主力製品は「透かし入りお懐紙」のようです。国内かなりのシェアだそうです。
茶道をされている方に取っては必需品ですが、たしなまない私も、家に切らしません。
お菓子を乗せたり、コモノやアクセサリーのパッケージに使ったり、便利ですもん。
そして、透かしが入ってお洒落ですもん。以前、褒められた「雪月花」のお懐紙の
透かしの漉き網がちょうどありました。これこれ、持ってる(お懐紙ね)
以前は、和紙は手透きじゃなくちゃ、ホンモノとは言えない、と思っていました。
でも、どうなのかなあ、この抄紙の作業を見ていると、
今やこういう工場というのももう貴重で、職人技が生きているんだと思うのですよ。
手で作る作業、和紙なら「手漉き和紙」、それって「何をもってホンモノ」だろう?
手漉き和紙でも、化学薬品も使えば、一部機械を使います。
何も機械も薬品も使わない手漉き和紙、はそうそうありません。今の時代それではものすごく高額になってしまう、
市場に合わないものになる。どこまで「手作業」を残すのか。伝統産業を見ていると必ずぶつかる高い壁です。
機械漉き和紙、それが市場に合うのであれば、その技術は残して行くべきです。
ただ、嘘やごまかすのはよくない事だと思うのです。自分の首を絞めます。
この丸重製紙さんは、月一度の定例工場見学を実施されています。
どなたにも、同業者も歓迎だそうです。そうした方が絶対生き残って行ける、私もそのお考えに共感できました。
そして、新しい市場開拓にも打って出ています。海外にも。
温故知新、大事ですよね!